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→便通は体調のバロメータ - 体は“空(から)だ”・2

胃や腸だけではなくそれぞれの臓器には、それぞれの固有の運動やリズムがありますが、それぞれが独立して勝手に動いているわけでは決っしてありません。
何らかの形でお互いに影響を与え合って、全体として体の状態を調えている。そのように考えるのが自然です。

体には胃腸や肝臓、腎臓など各種の臓器や組織の他に、脳神経系統、血液循環系統、内分泌系統、あるいは免疫系統など、体全体を統一し連携するシステムが存在します。

漢方では、血液循環や体液循環を含めて、気血水(きけつすい)というシステムが、全身を連絡し合っていると考えました。


便秘に処方される漢方薬には、大黄甘草湯(だいおう・かんぞうとう)、調胃承気湯(ちょうい・じょうきとう)、大承気湯(だい・じょうきとう)、通導散(つうどうさん)などがあり、その種類は少なくありません。
これらの漢方薬の中から、証(しょう)という診断基準に沿って、それぞれの病状にあった漢方薬が選択されます。
漢方薬は、方剤(ほうざい)とも呼ばれます。
便秘を改善する、これらの漢方薬は瀉下剤(しゃげ・ざい)です。

このように便秘という一つの症状に対して、数多くの方剤が存在するのは、一体どのような理由からでしょうか。
それぞれの漢方薬を構成している、生薬の種類や数や量が異なるからですが、なぜそのような違いがあるのでしょうか。

便通を改善する生薬(瀉下薬、しゃげやく)として、大黄(だいおう)と番瀉葉(ばんしゃよう、センナのこと)が特に有名です。
その他に、芒硝(ぼうしょう)、麻子仁(ましにん)、蜂蜜などに、瀉下(しゃげ)作用があるとされています。
  
現代医学的な立場から見れば、血圧などの薬剤と同じように、瀉下薬である大黄やセンナを単独に服用して、便秘が解消されれば、それで治療が完了します。
実際に街の薬屋さんの店頭では、センナなどの生薬が便通の薬として、単独で売られているのをよく見かけます。

医学的には、降圧剤や抗生物質など現代医薬品は、基本的に単一の化学成分だけが含まれています。
これに対して、生薬は天然の物質であり、主要な成分の他に何種類もの化学成分を含んでいます。
(生薬の効能も一種類に限らず、全く関係のないような何種類かの効能を表わすことがしばしばあります。)

漢方医学では、これらの主たる生薬を中心に、それ以外の生薬が組み合わされて、瀉下剤ができあがっています。
先に挙げた瀉下剤はいずれも、大黄と芒硝の他に各種の生薬を配合した漢方薬です。
大黄と芒硝のそれぞれの配合量も少しずつ異なり、その以外の生薬の種類も重量も違います。

それではなぜこのように異なるのでしょうか。

それは便秘という主症状が共通してはいても、その周辺の症状や状態が異なると判断しているからです。
このような考え方から、便秘を目標として治療を進めるにしても、組み合わせなければならない、生薬の種類、数、量が必然的に異なってきます。

→便通は体調のバロメータ - 体は“空(から)だ”・4へ

内科・漢方外来 - 神奈川県横浜市 -
渡部内科医院
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